シンガーソングライター堀川ひとみ。
かれこれ音楽活動20年弱。

わたしが一定時間いる場所。
人間修行先。

そんなとき、わたしのいたい場所。
歌で役に立てる場所。
小さなステージ。
大きなステージ。
日本全国どこまでも。
待っててくれるみんながいる場所へ。

みんなが待っててくれている場所へ行くとわかる。
みんながいかに私を、わたしの歌を待っていてくれたのか。
それに対して、一体私がどれ程のものをあげられたのか。

人間修行先になんとか馴染んで
幾ばくの手堅いお金を得て
ささやかに喜んでいる私は同時に、
歌を待っていてくれるみんなに不誠実ではないかと感じる。
みんなを裏切っているんではないかと。
それは、反対方向である人間修行先にも言えること。

私は音楽で
もっとやるべきことがある。
そんな思いが、
どんどん二つの世界の折り合いをつけにくくする。

不器用だもんな。
今に始まったこっちゃない。

どっちにも感謝しかない。
けれど、遅かれ早かれいつか私は人間修行先を離れる。

私にはどっちもは無理だ。

だからといって、
音楽以外を捨てる踏ん切りはなかなかつかないものだ。

それでも、
自分を信じられるようになった今
私は変わらず、うたを信じたいと思う。

全か無かにしなくとも、
誤差と見せかけて進んで行こう。
矢印だけはきちんと持とう。

これが、今日の私。